中古マンション購入で「重要事項説明書」をもらったらどこを見る?契約前に確認したい7つのポイント

この記事でわかること
  • そもそも「重要事項説明」とは?
  • 重要事項説明は「契約当日に初めて読む」のを避けたい
  • ポイント① 物件の表示・権利関係を確認する
公開日 更新日 著者 ソプナビ編集部

※本記事は一般的な判断材料の整理を目的としたものであり、特定の物件の価値・安全性・将来性を断定するものではありません。最終的な判断は不動産会社・管理会社・各種資料の確認に基づいて行ってください。

中古マンション購入で「重要事項説明書」をもらったらどこを見る?契約前に確認したい7つのポイント

「重要事項説明書をもらったけれど、ページ数が多くてどこを見ればいいか分からない。」

「宅建士から説明を受ける予定だけれど、その場で聞けば大丈夫?」

中古マンションの売買契約前には、物件や取引条件について重要事項説明を受けます。

重要事項説明書には、登記や権利関係、法令上の制限だけでなく、マンション特有の管理費・修繕積立金、管理規約、専有部分の利用制限、管理会社など、購入判断に関係する情報が記載されています。

ところが、契約当日に初めて書類をじっくり読むと、情報量が多すぎて重要な部分を十分理解できないまま売買契約へ進んでしまうことがあります。

重要事項説明書は「説明を聞くための書類」ではなく、「このマンションを本当に買うか判断するための書類」と考えることが重要です。

この記事では、中古マンション購入で重要事項説明書を受け取ったときに、契約前に特に確認したい7つのポイントを分かりやすく解説します。

そもそも「重要事項説明」とは?

重要事項説明とは、不動産を購入する人が契約するかどうかを判断するために重要な事項について、宅地建物取引業者から説明を受ける手続きです。

中古マンションでは、部屋そのものだけでなく、土地・建物の権利、マンションの管理、利用制限、修繕積立金など、多くの情報が購入判断に関係します。

そのため、重要事項説明書には幅広い情報が記載されています。

現在は一定の条件のもと、テレビ会議等を利用したオンラインでの重要事項説明も可能です。

重要事項説明は「契約当日に初めて読む」のを避けたい

重要事項説明と売買契約を同じ日に行うケースもあります。

しかし、重要事項説明書には専門用語や数字が多く含まれます。

説明を聞きながら初めて内容を理解し、その直後に数千万円規模の売買契約を判断するのは負担が大きいでしょう。

可能であれば、重要事項説明書や売買契約書案を事前に受け取り、分からない点を書き出しておくことをおすすめします。

特に、

  • 意味が分からない言葉
  • 聞いていた条件と違う数字
  • 「有」「予定あり」などになっている項目
  • 追加費用につながる内容
  • 使用上の制限

には印を付けておきましょう。

ポイント① 物件の表示・権利関係を確認する

最初に確認したいのが、購入する物件そのものについての情報です。

例えば、

  • 所在地
  • 建物名称
  • 専有部分
  • 土地の権利
  • 所有権以外の権利の有無
  • 登記に関する事項

などです。

販売図面で見ていた情報と、重要事項説明書に記載された内容が一致しているか確認しましょう。

マンションでは、土地について所有権だけでなく借地権などが関係する物件もあります。

土地の権利が違えば、将来の費用や売却時の考え方にも影響する可能性があります。

「マンション名と部屋番号が合っているから大丈夫」で終わらせず、敷地に関する権利まで確認しましょう。

ポイント② 専有部分・共用部分と使用制限を確認する

中古マンションでは、「自分の部屋だから自由に使える」とは限りません。

マンションには専有部分と共用部分があり、管理規約や使用細則によってさまざまなルールが定められています。

例えば確認したいのは、

  • ペット飼育
  • 楽器演奏
  • リフォーム
  • 床材変更
  • 事務所利用
  • 民泊などの利用
  • 駐車場・駐輪場
  • バルコニー等の利用

などです。

購入後に「できると思っていたことができない」と分かると、生活への影響が大きくなります。

特にリフォームを予定している場合は、管理規約だけでなく使用細則や工事申請のルールまで確認したいところです。

バルコニー・専用庭・駐車場は「自分のもの」とは限らない

マンションで混同しやすいのが専用使用部分です。

例えばバルコニーは、日常的にはその住戸だけが利用していても、共用部分として扱われているケースがあります。

専用庭や駐車場などについても、権利関係や利用条件を確認する必要があります。

「このスペースが付いている」という広告上の印象だけではなく、重要事項説明書や管理規約で正式な扱いを確認しましょう。

ポイント③ 管理費・修繕積立金・滞納状況を確認する

中古マンションで特に重要なのが、毎月の管理費と修繕積立金です。

住宅ローンとは別に長期間支払い続ける固定費だからです。

確認したいのは、単に現在の月額だけではありません。

  • 現在の管理費
  • 現在の修繕積立金
  • その他の毎月負担
  • 売主住戸の滞納の有無
  • マンション全体の滞納状況
  • 今後の値上げ予定

などです。

例えば現在、管理費2万円+修繕積立金3万円で合計5万円だったとします。

将来修繕積立金が6万円になれば、合計8万円です。

年間では96万円になります。

購入時点の数字だけで住宅予算を作らず、将来の増額予定まで確認しましょう。

関連記事:
修繕積立金が月6万円になるマンションは危険?購入前に確認したい7つのポイント

管理費・修繕積立金の「滞納」はなぜ重要?

中古マンションでは、管理費や修繕積立金が毎月いくらかだけでなく、滞納状況にも注目しましょう。

マンション全体で滞納が多ければ、計画どおり管理費や修繕資金を集められていない可能性があります。

また、購入予定住戸について売主の滞納がある場合には、その清算方法について確認が必要です。

重要事項説明を受ける際は、

「滞納はありますか?」だけでなく、「マンション全体ではどの程度ありますか?」

まで確認してみましょう。

関連記事:
中古マンションの「管理費滞納」が多いと危険?購入前に確認したいポイント

ポイント④ 管理規約・使用細則を確認する

重要事項説明書には、マンションの管理規約に関する内容も記載されています。

ただし、重要事項説明書に書かれている内容だけを見て終わらせず、必要に応じて管理規約そのものも確認しましょう。

管理規約には、そのマンションで暮らすうえで重要なルールが定められています。

  • 専有部分の用途
  • ペット飼育
  • リフォーム
  • 駐車場
  • 共用施設
  • 管理組合の運営
  • 費用負担

などです。

マンションによってルールは異なります。

特に自分の生活に関係するルールについては、契約前に確認しておきましょう。

「ペット可」だけでは分からないこともある

例えば広告に「ペット可」と書いてあっても、管理規約や使用細則で、

  • 頭数
  • 大きさ
  • 種類
  • 共用部分での移動方法
  • 飼育申請

などが細かく決められている場合があります。

「可・不可」だけでなく、自分の希望する利用方法がルール上問題ないかを見ることが大切です。

ポイント⑤ 長期修繕計画・大規模修繕・将来負担を確認する

中古マンションの購入では、建物の「現在」だけでなく「これから」も重要です。

そこで確認したいのが長期修繕計画です。

長期修繕計画では、将来予定されている修繕工事の内容、時期、概算費用、修繕積立金などの計画を確認できます。

購入前には、

  • 長期修繕計画があるか
  • いつ作成・見直しされたか
  • 次回大規模修繕はいつか
  • 大きな設備更新が予定されていないか
  • 修繕積立金残高は十分か
  • 将来値上げの予定がないか
  • 一時金や借入れ予定がないか

などを確認しましょう。

重要事項説明書に現在の修繕積立金が書いてあるからといって、その金額が10年後も同じとは限りません。

関連記事:
中古マンションの「長期修繕計画」はどこを見る?購入前に確認したい7つのポイント

長期修繕計画は「ある・ない」だけでは足りない

長期修繕計画が存在することは重要ですが、それだけで安心とは言えません。

例えば計画が作られていても、古いまま長期間見直されていれば、現在の工事費や建物状態が十分反映されていない可能性があります。

また、計画上は大規模修繕ができても、その後の修繕積立金残高が大きく減少することもあります。

重要なのは、

「計画があるか」ではなく、「現在の状況に合った資金計画になっているか」。

という点です。

ポイント⑥ 災害リスク・建物に関する事項を確認する

重要事項説明では、物件がある土地や建物に関するさまざまな情報も確認します。

例えば水害については、水防法に基づく水害ハザードマップ上で対象物件の所在地を確認する説明が行われます。

ただし、ハザードマップ上の表示だけで災害リスクのすべてが分かるわけではありません。

購入予定マンションでは、

  • 洪水
  • 内水
  • 高潮
  • 土砂災害
  • 地震時の地域特性

など、自分が気になる災害リスクを別途確認することも大切です。

マンションでは「浸水したら部屋まで来るか」だけではない

高層階を購入する場合、「自分の部屋まで浸水しないから問題ない」と考えることがあります。

しかしマンションでは、共用設備が低層階や地下などに配置されている場合があります。

災害リスクを考えるときは、自分の住戸だけではなく、建物全体の設備や避難経路などにも目を向けましょう。

アスベスト・耐震診断などの記録も確認する

築年数の古い中古マンションでは、石綿使用調査や耐震診断などに関する記録の有無が気になる場合があります。

重要事項説明で該当する記載があれば、単に「記録あり・なし」を見るだけでなく、必要に応じて内容について説明を求めましょう。

特に旧耐震基準の時期に建てられたマンションを検討する場合は、耐震性について別途確認しておきたいところです。

ポイント⑦ 手付金・契約解除・住宅ローン特約などを確認する

重要事項説明では、物件そのものだけでなく取引条件も重要です。

特に確認したいのが、

  • 手付金
  • 契約解除
  • 違約金
  • 住宅ローン特約
  • 代金支払時期
  • 引渡し時期

などです。

「住宅ローンが通らなかったら自動的に全部返金されるだろう」などと自己判断せず、契約書にどのような条件が設定されているか確認しましょう。

特に住宅ローン特約では、対象となる金融機関、融資額、期限、解除方法などの条件が重要になります。

関連記事:
中古マンション購入で「住宅ローン特約」とは?審査に落ちたら手付金は戻る?

手付金についても契約前に確認する

売買契約では、手付金を支払うケースがあります。

契約後に事情が変わり購入をやめたい場合、手付解除などが関係することがあります。

そのため、契約する前に、

  • 手付金はいくらか
  • 手付解除についてどのように定められているか
  • 解除できる時期・条件
  • 違約解除との違い

などを売買契約書と合わせて確認しましょう。

関連記事:
中古マンション購入で「手付金」はいくら必要?契約前に知っておきたい注意点

重要事項説明書と売買契約書は別々に確認する

重要事項説明書を確認したからといって、売買契約書を簡単に読んでよいわけではありません。

役割が異なるからです。

書類 主な役割
重要事項説明書 契約判断に重要な物件・取引情報の説明
売買契約書 売主と買主の具体的な契約条件

例えば重要事項説明で物件のリスクを確認し、売買契約書では引渡し、手付、解除、契約不適合責任など具体的な契約条件を確認します。

関連記事:
中古マンション購入で「売買契約書」のここだけは確認したい7つのポイント

重要事項説明書だけではマンションの管理状態は全部分からない

ここは中古マンション購入で非常に重要なポイントです。

重要事項説明書には購入判断に必要な情報が記載されていますが、マンション管理の実態まで一枚の書類ですべて把握できるわけではありません。

例えば、

  • 修繕積立金を値上げする議論がどう進んでいるか
  • 住民間のトラブルが長期化していないか
  • 大規模修繕をめぐって何が議論されたか
  • 管理会社変更が検討されていないか
  • 管理組合がどの程度機能しているか

などは、総会議事録を確認した方が背景を把握しやすい場合があります。

総会議事録も一緒に確認する

中古マンション購入では、可能であれば管理組合の総会議事録も確認しましょう。

特に注目したい言葉は、

  • 修繕積立金改定
  • 管理費値上げ
  • 一時金
  • 借入れ
  • 大規模修繕
  • 漏水
  • 滞納
  • 訴訟・紛争

などです。

これらの記載があるからといって、直ちに危険なマンションという意味ではありません。

むしろ問題が発生したときに、管理組合が適切に対応できているかを見ることが重要です。

関連記事:
中古マンションの「総会議事録」はどこを見る?購入前に確認したい7つの危険サイン

重要事項説明書で気になる数字があったら「理由」を聞く

重要事項説明書を見るときに有効なのが、数字を単独で判断しないことです。

例えば、

  • 修繕積立金が月5万円
  • 滞納額がある
  • 修繕積立金残高が大きく減っている

といった数字があった場合です。

その数字だけで「危険」と判断するのではなく、

「なぜこの数字になっているのですか?」

と確認しましょう。

例えば修繕積立金が高い理由が、将来必要な修繕費を適切に確保するためであれば、見方は変わります。

反対に、高い金額を集めても資金不足が解消していないのであれば、さらに確認が必要です。

「記載なし」「不明」も確認ポイント

重要事項説明書では、「有」と書かれている項目だけに目が行きがちです。

しかし、

  • 記録なし
  • 調査中
  • 不明
  • 確認できず

といった記載も確認したいポイントです。

情報がないこと自体が問題とは限りませんが、自分の購入判断に重要な項目なら、なぜ確認できないのか、代わりに確認できる資料がないか聞いてみましょう。

重要事項説明の場で分からなければその場で止めて質問する

重要事項説明では、宅建士が多くの項目を順番に説明します。

分からない言葉があっても、「あとで調べればいい」とそのまま進めてしまうことがあります。

しかし、その後すぐに売買契約へ進む予定なら、分からない部分を残さないことが重要です。

例えば、

  • 「この条項は具体的にどういう意味ですか?」
  • 「購入後、私にどんな負担がありますか?」
  • 「将来値上げされる予定はありますか?」
  • 「この項目について確認できる資料はありますか?」

と具体的に質問しましょう。

「みんなこのまま契約しています」と言われても自分で確認する

不動産取引では時間が限られているため、説明がテンポよく進むことがあります。

しかし、購入後に住宅ローンや管理費・修繕積立金を支払うのは買主自身です。

他の購入者がどうしているかではなく、自分にとって重要な項目を納得できるまで確認しましょう。

「説明を受けた」ことと「理解して納得した」ことは別です。

重要事項説明書をもらったら確認したい7ポイント

  1. 権利関係:土地・建物の権利や登記内容に問題がないか
  2. 利用制限:専有部分・共用部分を希望どおり利用できるか
  3. 費用:管理費・修繕積立金・滞納・将来値上げを確認したか
  4. 管理規約:ペット・リフォーム・駐車場などのルールを確認したか
  5. 修繕:長期修繕計画・大規模修繕・将来負担を確認したか
  6. 建物・災害:ハザード情報や建物に関する事項を確認したか
  7. 契約条件:手付・解除・住宅ローン特約を理解しているか

さらに契約前に確認したい5つの資料

重要事項説明書と一緒に、可能な範囲で次の資料を確認しましょう。

  1. 売買契約書
  2. 長期修繕計画
  3. 総会議事録
  4. 管理規約・使用細則
  5. マンションの管理情報を確認できる資料

重要事項説明書だけでは分からない部分を、これらの資料で補完していきます。

買付を入れた後でも、気になる点があれば確認する

重要事項説明書を受け取る段階では、すでに購入申込みや買付を入れていることも多いでしょう。

すると、

「ここまで進んだのだから、今さらやめられない。」

と感じることがあります。

しかし、重要事項説明は契約するかどうかを判断する重要な機会です。

気になる内容が出てきた場合は、「買付を入れたから」という理由だけで疑問を残したまま契約へ進まないようにしましょう。

関連記事:
中古マンション購入で「買付を入れた後」にやめても大丈夫?契約前に確認したいポイント

契約直前こそ「少し気になる」を無視しない

マンション購入では、問題が一つ見つかっただけで必ず購入をやめる必要はありません。

重要なのは、その内容を理解したうえで購入するか判断できることです。

例えば、

  • 修繕積立金は高いが資金計画は十分
  • 大規模修繕が近いが必要資金は確保済み
  • 管理規約に制限はあるが自分の生活には影響しない

のであれば、納得して購入できるかもしれません。

反対に、小さな違和感を一つずつ確認した結果、複数のリスクが重なっていることが分かる場合もあります。

SOPNAVIなら重要事項説明書「だけ」で終わらせません

中古マンションを契約する前に確認したいのは、重要事項説明書だけではありません。

重要事項説明書に記載された内容を、

  • 売買契約書
  • 長期修繕計画
  • 総会議事録
  • 管理規約

などと合わせて確認することで、購入後の負担やマンション管理の状況が見えやすくなります。

SOPNAVIでは、こうした契約前資料から、購入判断で確認しておきたいポイントを整理します。

「重要事項説明書をもらったけれど、このまま契約して本当に大丈夫?」と感じたら、契約前に一度資料全体を確認しましょう。

まとめ|重要事項説明書は「契約するため」ではなく「契約するか判断するため」に読む

中古マンションの重要事項説明書には、物件の権利関係、マンションの管理、費用、利用制限、取引条件など、購入判断に重要な情報が記載されています。

特に確認したいのは、

  • 物件・権利関係
  • 専有部分・共用部分の使用制限
  • 管理費・修繕積立金・滞納
  • 管理規約
  • 長期修繕計画・将来負担
  • 建物・災害に関する事項
  • 手付・契約解除・住宅ローン特約

の7点です。

そして重要事項説明書だけですべてを判断しようとせず、売買契約書、長期修繕計画、総会議事録、管理規約なども合わせて確認しましょう。

重要事項説明は「契約前の最後の儀式」ではありません。「本当にこのマンションを買うか」を確認する重要な機会です。

分からないことを残さず、納得できる状態になってから売買契約へ進むことが、中古マンション購入で後悔を減らすための重要なポイントです。

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