住宅ローン7000万円で「育休・時短勤務」になったら返済は大丈夫?共働き世帯の注意点
- 住宅ローン7000万円は「今の世帯年収」だけで判断しない
- 育休・時短勤務で何が変わる?
- 注意点① 育休中は給与と同じ収入が続くとは限らない
※本記事は一般的な判断材料の整理を目的としたものであり、特定の物件の価値・安全性・将来性を断定するものではありません。最終的な判断は不動産会社・管理会社・各種資料の確認に基づいて行ってください。
住宅ローン7000万円で「育休・時短勤務」になったら返済は大丈夫?共働き世帯の注意点
「夫婦共働きなら7000万円の住宅ローンでも返せると思う」
マンション購入を検討している共働き世帯では、このように考えることがあります。
確かに、夫婦ともフルタイムで働き、現在の収入が続けば返済できるケースはあります。
しかし、子どもが生まれたあとも同じ収入が続くとは限りません。
育児休業を取得したり、復職後に時短勤務を選んだりすれば、世帯収入が一時的または継続的に減る可能性があります。
一方で、住宅ローン、管理費、修繕積立金などの住居費は基本的に待ってくれません。
この記事では、7000万円の住宅ローンを検討している共働き世帯が、育休・時短勤務まで考えて契約前に確認したいポイントを解説します。
住宅ローン7000万円は「今の世帯年収」だけで判断しない
住宅ローンを考えるとき、最初に確認するのは現在の年収でしょう。
例えば夫婦それぞれに安定した収入があり、世帯年収が高ければ、7000万円の借入れでも金融機関の審査上は可能になるケースがあります。
しかし、住宅ローン審査で「借りられる金額」と、家計として「無理なく返し続けられる金額」は同じではありません。
特に共働き世帯では、現在の収入をそのまま30年、35年と維持できることを前提にしないことが重要です。
育休・時短勤務で何が変わる?
子どもが生まれると、家計には大きく2つの変化が起こります。
- 収入が減る可能性がある
- 子どもに関する支出が増える
つまり、住宅購入時よりも「収入は減るのに支出は増える」という状況になる可能性があります。
住宅ローン7000万円のように毎月の返済額が大きい場合、この変化が家計に与える影響も大きくなります。
注意点① 育休中は給与と同じ収入が続くとは限らない
育児休業中には一定の要件を満たすことで給付を受けられる場合がありますが、通常の勤務時と家計のキャッシュフローが同じになるとは限りません。
住宅ローンを考える際は、制度があるから大丈夫と考えるのではなく、実際に育休を取得した場合の世帯収入を試算しておくことが重要です。
例えば、次の3パターンを作ってみましょう。
- 夫婦ともフルタイムで働いている場合
- 一方が育休を取得している場合
- 育休から復職して時短勤務になった場合
この3つの家計を比較すると、「今は払える」と「子どもが生まれてからも払える」の違いが見えやすくなります。
注意点② 復職すればすぐ元の収入に戻るとは限らない
住宅購入時の資金計画で見落としやすいのが、育休後の働き方です。
「1年間育休を取ったあと、フルタイムで復職すれば大丈夫」と考えていても、実際には時短勤務を選ぶことがあります。
保育園の送迎、子どもの体調不良、通勤時間、夫婦の勤務時間などを考えると、希望どおりの働き方ができない場合もあります。
その結果、育休期間だけでなく、その後数年間にわたって世帯収入が購入時の想定を下回る可能性があります。
「1年間の収入減」ではなく数年間で考える
ここは7000万円の住宅ローンを組む共働き世帯にとって重要なポイントです。
育休だけを考えると、「1年間だけ乗り切ればいい」と考えがちです。
しかし実際には、
- 妊娠・出産
- 育児休業
- 時短勤務
- 子どもの体調不良への対応
- 第二子の出産・育休
などが続く可能性があります。
そのため、「育休の1年間だけ返済できるか」ではなく、5年程度の家計変化まで想定してみることが大切です。
注意点③ 住宅ローン以外の住居費は減らない
マンション購入後に必要なのは住宅ローン返済だけではありません。
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場代
- 固定資産税等
- 火災・地震保険
- 専有部分の修理・交換費
こうした費用は、育休や時短勤務で収入が減ったからといって基本的には減りません。
特に中古マンションでは、購入後に修繕積立金が値上がりする可能性があります。
住宅ローン返済額だけで家計を判断せず、毎月の住居費総額で考える必要があります。
修繕積立金の値上げと時短勤務が重なる可能性もある
例えば購入から数年後、子育てで時短勤務をしている時期に修繕積立金が値上がりする可能性もあります。
収入が減っている時期に住居費が増えるため、家計への影響は小さくありません。
中古マンションを購入する場合は、現在の修繕積立金だけでなく、長期修繕計画や総会議事録などから将来の値上げ予定も確認しておきましょう。
関連記事:
修繕積立金が値上がりしやすい中古マンションの特徴とは?購入前チェックポイント
注意点④ 子どもが生まれると新しい支出が増える
育休・時短勤務では収入減だけに目が向きがちですが、同時に子育て関連の支出も発生します。
- 保育・教育関連費
- 食費
- 衣類
- 医療・生活用品
- 習い事
- レジャー費
さらに子どもが成長すると、教育費の負担が大きくなる時期がやってきます。
住宅ローンを完済するまでの長い期間には、教育費のピークと住宅ローン返済が重なる可能性があります。
関連記事:
住宅ローン7000万円で「子どもの教育費」が苦しくなる?契約前に考えたい5つのポイント
注意点⑤ 「ボーナスで補えばいい」という計画にしない
毎月の返済が大きい場合、「足りない分はボーナスで補えばいい」と考えることがあります。
しかし、育休・時短勤務によって賞与の支給額が変わる可能性もあります。
また、会社の業績や転職などによって、将来も現在と同じボーナスが続くとは限りません。
基本的な生活費と住宅費は、毎月の安定した収入で支払える状態にしておく方が家計の変化に対応しやすくなります。
関連記事:
住宅ローン7000万円で「ボーナス返済」が危険になるのはどんなとき?契約前に確認したい5つのポイント
7000万円を借りた場合の毎月返済額をイメージする
7000万円という借入額だけでは、毎月の負担を実感しにくいかもしれません。
そこで、元利均等返済・35年返済・ボーナス返済なしという単純な条件で、おおよその返済額を比較してみます。
| 金利 | 毎月返済額の目安 | 年間返済額の目安 |
|---|---|---|
| 1.0% | 約19.8万円 | 約237万円 |
| 1.5% | 約21.4万円 | 約257万円 |
| 2.0% | 約23.2万円 | 約278万円 |
| 2.5% | 約25.0万円 | 約300万円 |
※上記は概算です。実際の返済額は借入条件、金利タイプ、返済期間などによって異なります。
さらにマンションの場合、ここへ管理費や修繕積立金などが加わります。
例えば住宅ローンが月23万円、管理費・修繕積立金等が月5万円なら、住居関連だけで月28万円程度になります。
この金額を、夫婦ともフルタイムの現在だけでなく、育休中・時短勤務中でも負担できるかを考えることが重要です。
共働き世帯は「片方の収入が減った家計」を一度作ってみる
契約前におすすめしたいのが、現在の世帯収入を前提にした家計とは別に、収入減少時の家計を作ることです。
例えば、次のように考えます。
- 通常ケース:夫婦ともフルタイム
- 育休ケース:一方の通常給与がなくなり、利用できる給付等を反映
- 時短ケース:一方の給与が下がった状態
- 厳しいケース:一方の収入が大幅に減った状態
4パターンで住宅ローン、管理費、修繕積立金、生活費を差し引いてみましょう。
通常ケースでは毎月10万円以上余っていたのに、時短ケースではほとんど残らないのであれば、借入額を再検討する材料になります。
「共働きを続ける予定」と「共働きを続けられる」は違う
住宅ローン7000万円を検討する際に、「夫婦とも仕事を辞める予定はありません」と考えるのは自然です。
しかし30年以上の住宅ローン期間には、さまざまな変化が起こり得ます。
- 育児
- 転職
- 時短勤務
- 介護
- 働き方の変更
- 会社の業績変化
そのため、資金計画では「共働きを続けたい」という希望だけでなく、「一時的に共働き収入が減っても返せるか」を確認することが重要です。
関連記事:
住宅ローン6000万円で「共働き終了」が家計に与える影響とは?契約前に考えたいポイント
貯金が減り続ける家計になっていないか
毎月の住宅ローンを払えていても、貯金を取り崩し続けているなら注意が必要です。
育休や時短勤務の期間に一時的に貯金を使うこと自体が問題なのではありません。
問題は、復職後も毎月の収支が改善せず、住宅ローンを返すために貯金が減り続ける状態です。
住宅購入後も、
- 生活防衛資金
- 教育資金
- 住宅設備の交換費
- 老後資金
などを準備する必要があります。
「住宅ローンを払えるか」だけでなく、「住宅ローンを払いながら貯蓄を続けられるか」まで確認しましょう。
7000万円の住宅ローンを契約する前に確認したい7項目
- 育休中の収入:実際の手取りベースで試算したか
- 復職後:時短勤務になった場合も計算したか
- 第二子:再び育休・時短になる可能性を考えたか
- 教育費:子どもの成長後まで考えたか
- マンション固定費:管理費・修繕積立金を含めたか
- 金利:返済額が増えた場合も耐えられるか
- 貯蓄:収入減少時にも一定の資金を残せるか
こんな資金計画なら一度立ち止まって考える
次のような条件が複数重なる場合は、借入額や購入価格をもう一度検討してみてもよいでしょう。
- 夫婦二人のフルタイム収入がなければ毎月赤字になる
- 育休中は貯金を大きく取り崩す
- 時短勤務になった場合の試算をしていない
- ボーナスがなければ年間収支が合わない
- 修繕積立金の値上げを考慮していない
- 教育費をほとんど見込んでいない
- 購入後に現金がほとんど残らない
一つ該当しただけで7000万円の住宅ローンが危険というわけではありません。
重要なのは、複数のリスクが同時に起きたときにも家計が維持できるかです。
住宅ローン7000万円で後悔しないために大切なのは「余白」
住宅ローンは30年、35年という長期間続きます。
その間、家計が購入時の計画どおりに進むとは限りません。
だからこそ重要なのが、家計の「余白」です。
育休になっても払える。時短勤務になっても赤字にならない。修繕積立金が上がっても対応できる。
こうした余白があるほど、住宅ローンは家族の生活を圧迫しにくくなります。
SOPNAVIなら物件価格だけでなく「購入後の負担」も確認できます
中古マンション購入では、「住宅ローンの審査に通るか」だけで判断するのでは不十分です。
管理費、修繕積立金、将来の値上げ、長期修繕計画なども含めて、購入後の負担を確認する必要があります。
SOPNAVIでは、中古マンション購入前に確認しておきたい情報を整理し、「契約してから気付いた」を減らすための判断材料を提供します。
まとめ
住宅ローン7000万円を共働きで返済する場合、現在の世帯年収だけで判断しないことが重要です。
育休による収入減、復職後の時短勤務、教育費の増加、修繕積立金の値上げなど、購入後には複数の家計変化が起こる可能性があります。
特に確認したいのは、夫婦ともフルタイムで働いている状態ではなく、「一方の収入が下がった状態でも住宅ローンを返し続けられるか」です。
7000万円を借りられるかではなく、育休・時短勤務になっても家族の生活と貯蓄を守りながら返せるか。
そこまで確認してから購入価格を決めることが、住宅ローンで後悔しないための重要なポイントです。
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