住宅ローン7000万円を組む前に考えたい「売却できる家」の選び方

この記事でわかること
  • 住宅ローン7000万円では出口戦略が重要
  • 「売却できる家」とはどういう家?
  • 住宅ローン7000万円でオーバーローンになる例
公開日 更新日 著者 ソプナビ編集部

※本記事は一般的な判断材料の整理を目的としたものであり、特定の物件の価値・安全性・将来性を断定するものではありません。最終的な判断は不動産会社・管理会社・各種資料の確認に基づいて行ってください。

住宅ローン7000万円を組む前に考えたい「売却できる家」の選び方

結論:住宅ローン7000万円を組む場合は、現在の年収で返済できるかだけでなく、将来その家を売却できるかまで考えて物件を選ぶことが重要です。転勤、収入減少、離婚、家族構成の変化などによって住み替えが必要になったとき、売却価格が住宅ローン残高を下回ると、家を売りたくても売れない状態になる可能性があります。

住宅購入時には、間取りや内装、眺望などに目が向きやすいものです。

しかし、7000万円という大きな住宅ローンを組むのであれば、「自分たちが住みたい家」という視点だけでなく、「将来、別の人も買いたいと思う家か」という視点が欠かせません。

住宅ローン7000万円では出口戦略が重要

住宅ローンの返済期間は、一般的に30年から35年程度です。

購入時には一生住み続けるつもりでも、その後の生活が予定どおりに進むとは限りません。

  • 転勤や転職で勤務地が変わる
  • 子どもが増えて手狭になる
  • 子どもの独立後に広すぎると感じる
  • 親との同居や介護が必要になる
  • 病気やけがで収入が減る
  • 夫婦関係の変化によって売却が必要になる
  • 定年後に住居費を抑えたくなる

このような事情が起きたとき、売却しやすい物件であれば、住み替えという選択ができます。

一方で、売却価格が低く、住宅ローンを完済できない物件では、住み替えたいと思っても簡単には売却できません。

「売却できる家」とはどういう家?

売却できる家とは、単に買い手が見つかる家ではありません。

重要なのは、売却に必要な費用を差し引いても、住宅ローンを返済できる可能性が高い家です。

住宅ローンが残っている家を売却する場合、原則として引き渡し時までに住宅ローンを完済し、金融機関の抵当権を抹消する必要があります。

そのため、次の関係を考える必要があります。

想定売却価格 − 売却諸費用 > 住宅ローン残高

この状態であれば、売却代金で住宅ローンを完済できる可能性があります。

一方で、売却代金だけでは住宅ローンを返済できない状態を「オーバーローン」と呼びます。

住宅ローン7000万円でオーバーローンになる例

例えば、7000万円の住宅ローンを組んでマンションを購入し、数年後に売却するケースを考えてみます。

項目金額例
売却時の住宅ローン残高6500万円
マンションの売却価格6200万円
仲介手数料などの売却費用約220万円
売却後に残る金額約5980万円
不足額約520万円

このケースでは、住宅ローンを完済するために約520万円の自己資金が必要です。

自己資金を用意できなければ、通常の方法では売却できない可能性があります。

購入時の価格が高くても、購入直後から同じ価格で売却できるとは限りません。

新築マンションの場合は、販売会社の利益や広告費、モデルルーム運営費などが販売価格に含まれており、入居後に中古物件となることで価格が下がるケースもあります。

売却しやすい家を選ぶポイント① 駅からの距離

中古住宅の売却では、駅からの距離が購入希望者の判断に大きく影響します。

特にマンションでは、駅徒歩10分以内を希望条件にする人が多く、駅に近い物件ほど検索対象に入りやすくなります。

ただし、広告上の徒歩分数だけで判断してはいけません。

  • 駅まで坂道がないか
  • 信号や踏切が多くないか
  • 夜道が暗くないか
  • 歩道が整備されているか
  • 雨の日でも歩きやすいか
  • 複数路線を利用できるか

実際の歩きやすさも、将来の売却しやすさに関係します。

売却しやすい家を選ぶポイント② 需要のある駅・地域

駅に近くても、その地域に住宅需要が少なければ、売却に時間がかかる可能性があります。

購入前には、現在の人気だけでなく、将来も一定の需要が見込めるかを確認しましょう。

  • 都心や主要駅へのアクセス
  • 電車の本数
  • 始発電車の有無
  • 買い物施設の充実度
  • 医療機関の利便性
  • 学校や保育施設
  • 地域の人口動向
  • 周辺の再開発計画

特定の世代だけでなく、単身者、共働き夫婦、子育て世帯、シニア世帯など、幅広い層が暮らしやすい地域は、将来も買い手を見つけやすい傾向があります。

売却しやすい家を選ぶポイント③ 一般的な間取りと広さ

自分たちにとって理想的な間取りでも、特殊すぎる間取りは将来の売却で不利になることがあります。

中古マンション市場では、購入希望者が多い間取りや広さの方が、売却しやすくなります。

例えば、ファミリー向けの地域では、次のような住戸が比較検討されやすくなります。

  • 2LDKから3LDK程度
  • 生活動線が分かりやすい
  • 極端に狭い部屋がない
  • 十分な収納がある
  • 家具を配置しやすい
  • 日当たりや通風を確保しやすい

個性的な間取りや大規模なリフォームは、住む人の満足度を高める一方で、次の買い手の好みに合わない可能性もあります。

売却しやすい家を選ぶポイント④ 管理状態

マンションの売却価格は、専有部分の内装だけで決まりません。

エントランス、廊下、外壁、ゴミ置場、駐輪場などの共用部分も、購入希望者の印象を大きく左右します。

次のような状態が見られるマンションは注意が必要です。

  • エントランスや廊下の清掃が不十分
  • 掲示板に古い注意書きが大量に残っている
  • 放置自転車が多い
  • ゴミ出しのルールが守られていない
  • 外壁やタイルの劣化が目立つ
  • 設備の故障が長期間放置されている
  • 植栽の手入れがされていない

内装は購入後に変更できますが、共用部分は一人の所有者だけでは改善できません。

将来売却するときにも、マンション全体の管理状態が評価されます。

売却しやすい家を選ぶポイント⑤ 修繕積立金

修繕積立金は、毎月の負担であると同時に、マンションの資産価値を維持するための資金です。

修繕積立金が安い物件は魅力的に見えますが、必要な資金が不足している場合があります。

積立不足があると、将来次のような問題が起こる可能性があります。

  • 修繕積立金の大幅な値上げ
  • 一時金の徴収
  • 大規模修繕の延期
  • 管理組合による借入れ
  • 建物や設備の劣化

売却時に積立不足や大幅な値上げ予定が分かれば、購入希望者から敬遠される可能性があります。

現在の月額だけでなく、積立残高、長期修繕計画、値上げ予定まで確認しましょう。

売却しやすい家を選ぶポイント⑥ 長期修繕計画

長期修繕計画は、そのマンションが将来どのような工事を行い、どの程度の費用が必要になるかを示す重要な資料です。

購入前には、次の点を確認しましょう。

  • 計画が定期的に更新されているか
  • 将来必要な工事が網羅されているか
  • 工事費が現実的な水準になっているか
  • 計画期間中に積立金が不足しないか
  • 大規模修繕が計画どおり実施されているか
  • 一時金や借入れを前提としていないか

長期修繕計画が古いまま放置されているマンションは、将来の修繕費を正しく把握できていない可能性があります。

売却しやすい家を選ぶポイント⑦ 管理組合の運営状況

建物の状態を長期的に維持するためには、管理組合が適切に機能していることが重要です。

管理会社が大手であっても、管理組合がすべてを管理会社任せにしているとは限りません。

購入前には、総会議事録などから次の点を確認しましょう。

  • 総会や理事会が定期的に開催されているか
  • 重要な課題が放置されていないか
  • 修繕積立金の値上げを適切に検討しているか
  • 住民間トラブルへの対応が行われているか
  • 管理会社の変更や契約内容を検討しているか
  • 役員のなり手不足が深刻化していないか

管理組合の意思決定が機能していないと、必要な修繕やルール変更が進まず、将来の資産価値に影響する可能性があります。

売却しやすい家を選ぶポイント⑧ 災害リスク

洪水、内水氾濫、高潮、土砂災害などの災害リスクは、生活の安全だけでなく、将来の売却にも影響します。

災害リスクがある地域の物件がすべて売却できないわけではありません。

ただし、同じ価格帯で比較された場合、災害リスクの低い物件が選ばれる可能性があります。

自治体のハザードマップを確認するとともに、次の点も調べておきましょう。

  • 過去の浸水履歴
  • マンションの受変電設備の位置
  • 地下駐車場の有無
  • 非常用電源の有無
  • 防災備蓄の状況
  • 管理組合の防災対策

高層階の住戸でも、電気設備や給水設備が浸水すれば、建物全体の生活に影響することがあります。

売却しやすい家を選ぶポイント⑨ 周辺の供給量

同じ地域に似たようなマンションが大量に供給されると、売却時の競合が増えます。

大規模マンションでは、同じ時期に複数の住戸が売りに出ることもあります。

同じマンション内に似た間取りの売却物件が複数ある場合、価格競争になりやすくなります。

購入前には、周辺地域や同じマンション内で、どの程度の物件が売りに出ているかを確認しましょう。

  • 同一マンション内の販売戸数
  • 近隣マンションの供給状況
  • 新築マンションの建設予定
  • 中古物件の販売期間
  • 販売価格と成約価格の差

売出価格だけでは、実際にその価格で売れたかは分かりません。

可能であれば、過去の成約事例も確認したいところです。

売却しやすい家を選ぶポイント⑩ 適正価格で購入する

どれだけ立地や管理状態が良くても、相場より大幅に高い価格で購入すると、将来オーバーローンになる可能性が高まります。

住宅ローン7000万円を組めるからといって、7000万円まで予算を使い切る必要はありません。

購入価格が適正かを判断するためには、次の物件と比較します。

  • 同じマンション内の過去の成約事例
  • 同じ駅・同程度の駅距離の物件
  • 同じ築年数・広さ・間取りの物件
  • 近隣の新築マンション
  • 現在売り出されている競合物件

リフォーム済み物件では、内装が新しいことで価格が高く設定されている場合があります。

内装の価値とマンションそのものの価値を分けて考えることが重要です。

住宅ローン7000万円の返済額

7000万円を35年間、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合、毎月返済額の概算は次のようになります。

金利毎月返済額の目安総返済額の目安
0.5%約18万2,000円約7630万円
1.0%約19万8,000円約8300万円
1.5%約21万4,000円約9000万円
2.0%約23万2,000円約9740万円

この返済額には、管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税、保険料などは含まれていません。

マンションの場合、住宅ローン以外の費用を含めると、実際の住居費が毎月25万円から30万円を超えるケースもあります。

返済当初は住宅ローン残高が減りにくい

元利均等返済では、返済当初は毎月返済額に占める利息の割合が比較的大きく、元金の減り方が緩やかです。

そのため、購入後数年で売却すると、想像以上に住宅ローンが残っていることがあります。

さらに、売却時には次のような費用もかかります。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 抵当権抹消費用
  • 司法書士費用
  • 印紙税
  • 引っ越し費用
  • 場合によっては補修費やハウスクリーニング費

「購入価格と同じ価格で売れれば大丈夫」とは限りません。

売却費用を差し引いた手取り額で、住宅ローンを完済できるかを考える必要があります。

頭金を入れれば売却リスクは下がる?

頭金を入れると住宅ローン残高が減るため、オーバーローンのリスクを下げる効果があります。

ただし、頭金を多く入れすぎて、購入後の預貯金がほとんど残らない状態も危険です。

購入後には、次のような予想外の支出が発生することがあります。

  • 病気やけがによる収入減少
  • 転職や失業
  • 家電や設備の故障
  • 教育費の増加
  • 修繕積立金の値上げ
  • 一時金の徴収

頭金の額は、住宅ローン残高を減らす効果と、手元資金を確保する必要性の両方を考えて決めましょう。

ペアローンでは売却時の手続きにも注意

7000万円の住宅ローンでは、夫婦でペアローンを利用するケースもあります。

ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、それぞれの持分に抵当権が設定されるのが一般的です。

売却する場合は、夫婦双方の同意と手続きが必要になります。

離婚などで関係が悪化した場合、売却価格だけでなく、次の点が問題になることがあります。

  • 売却への合意
  • 売却後の残金の分配
  • 住宅ローン不足額の負担
  • 共有持分の扱い
  • どちらかが住み続ける場合の名義変更

購入時には想定しにくいことですが、高額なペアローンほど、将来の出口が複雑になる可能性があります。

将来貸せる家なら安心?

売却できなければ賃貸に出せばよい、と考える方もいます。

しかし、住宅ローンを利用して購入した物件を無断で賃貸に出すことは、契約上認められない場合があります。

転勤などやむを得ない事情がある場合でも、事前に金融機関への相談が必要です。

また、家賃収入だけで次の支出をすべて賄えるとは限りません。

  • 住宅ローン返済
  • 管理費・修繕積立金
  • 固定資産税
  • 賃貸管理手数料
  • 入居者募集費用
  • 空室期間の負担
  • 室内修繕費

「売れなければ貸せばよい」という前提だけで、高額な住宅ローンを組むのは危険です。

購入前に確認したい資料

売却しやすい物件かを判断するためには、販売図面と室内の内覧だけでは情報が足りません。

少なくとも、次の資料や情報を確認しましょう。

  • 重要事項調査報告書
  • 長期修繕計画
  • 総会議事録
  • 修繕積立金の残高
  • 修繕積立金の改定予定
  • 大規模修繕の実施履歴
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況
  • 周辺マンションの成約事例
  • ハザードマップ
  • 用途地域や周辺の建築計画

住宅ローン7000万円を組む前の売却チェックリスト

  • 駅から実際に歩いて何分か確認したか
  • 将来も需要が見込める地域か
  • 一般的で売りやすい間取りか
  • 共用部分の管理状態は良好か
  • 修繕積立金は不足していないか
  • 長期修繕計画は更新されているか
  • 管理組合は機能しているか
  • 災害リスクを確認したか
  • 周辺に競合物件が多すぎないか
  • 相場より高い価格で購入していないか
  • 数年後の住宅ローン残高を確認したか
  • 売却費用を含めて試算したか

ソプナビなら「売却できるか」も第三者目線で確認

不動産会社は物件を販売する立場であるため、購入時の魅力は詳しく説明されても、将来売却しにくくなる可能性まで十分に説明されないことがあります。

ソプナビでは、不動産会社とは異なる第三者の立場から、購入予定のマンションについて次のようなポイントを確認しています。

  • 将来売却しやすい立地か
  • 購入価格は周辺相場と比べて妥当か
  • 管理組合は機能しているか
  • 修繕積立金に不足はないか
  • 長期修繕計画に問題はないか
  • 災害リスクはどの程度か
  • 住宅ローン残高と資産価値のバランス

物件を勧めるためではなく、契約前に一度立ち止まり、「本当にこの物件を買ってよいか」を考えるための情報を提供しています。

まとめ

住宅ローン7000万円を組む場合は、現在の収入で返済できるかだけでなく、将来売却できる家かという視点が重要です。

転勤、収入減少、家族構成の変化などによって売却が必要になったとき、住宅ローン残高が売却手取り額を上回っていると、売りたくても売れない可能性があります。

売却しやすさを左右するのは、駅距離、地域の需要、間取り、管理状態、修繕積立金、長期修繕計画、災害リスク、購入価格などです。

住宅は自分たちが住む場所であると同時に、大きな資産でもあります。

「今住みたいか」だけでなく、「将来、別の人も買いたいと思うか」という視点で物件を選ぶことが、7000万円の住宅ローンで後悔しないための重要なポイントです。

この物件、本当に大丈夫ですか?

住宅ローン・修繕積立金・管理状態・将来の資産価値など、
マンション購入前に確認しておきたいポイントを整理できます。

無料で物件診断する

※完全無料・無理な営業はありません


「将来も安心して住めるか」を確認するために、
売却相場もチェックしておきませんか?

マンションは購入価格だけでなく、 将来いくらで売れるかも重要な判断材料です。
お住まいの地域に対応する無料査定サービスをお選びください。

おすすめ

東海・関東の一部

不動産SHOPナカジツ

地域密着型の不動産会社へ、
マンションの売却査定を無料で依頼できます。

ナカジツで無料査定する

※最新の対応地域は査定ページでご確認ください

全国対応

対応エリア外の方はこちら

北海道・東北・関西・中国・四国・九州など

ミライアス

全国対応の無料査定サービスです。
地域を問わず売却相場を確認できます。

全国対応の無料査定はこちら

※全国対応の査定ページへ移動します

※本欄には広告・プロモーションを含みます。査定の利用は無料です。

マンションの現在価値を確認したい方へ

売却予定がなくても、現在の査定価格を知っておくことで、 将来の住み替えや資金計画の参考になります。

ノムコム マンション無料査定