住宅ローン9000万円で「教育費が重い」は危険?高収入世帯が購入前に考えたいこと

この記事でわかること
  • 結論|高収入でも「住宅費+教育費」が重なると家計の余裕は小さくなる
  • 住宅ローン9000万円の毎月返済額を確認
  • 住宅ローン25万円でも実際の住宅費は30万円を超えることがある
公開日 更新日 著者 ソプナビ編集部

※本記事は一般的な判断材料の整理を目的としたものであり、特定の物件の価値・安全性・将来性を断定するものではありません。最終的な判断は不動産会社・管理会社・各種資料の確認に基づいて行ってください。

住宅ローン9000万円で「教育費が重い」は危険?高収入世帯が購入前に考えたいこと

「世帯年収が高いから、住宅ローン9000万円でも大丈夫だと思っている。」

「子どもがまだ小さいので、今の家計なら住宅ローンを払っても余裕がある。」

「教育費が増えるのは先だから、そのとき考えればいい?」

住宅ローン9000万円を検討する世帯は、一定以上の収入があるケースが多いでしょう。

現在の家計だけを見ると、住宅ローン返済をしながら生活費も十分払えるように見える場合があります。

しかし、子どもが小さい時期と、中学・高校・大学進学が重なる時期では家計の姿が大きく変わります。

さらにマンションなら、住宅ローン以外にも管理費・修繕積立金・固定資産税等が続きます。

住宅ローン9000万円で重要なのは、「今の収入で払えるか」ではなく、「教育費が最も重くなる時期でも家計が回るか」です。

この記事では、高収入世帯が住宅ローン9000万円を組むときに、教育費との両立で注意したいポイントを詳しく解説します。

関連記事:
住宅ローン9000万円で後悔する人の特徴7選|高収入でも購入前に確認したいこと

結論|高収入でも「住宅費+教育費」が重なると家計の余裕は小さくなる

住宅ローン9000万円を返済できる収入があっても、教育費が重なる時期には家計負担が大きくなる可能性があります。

特に注意したいのは、

  • 住宅ローン返済が月25万円前後
  • 管理費・修繕積立金も高い
  • 子どもが2人いる
  • 私立進学を考えている
  • 塾・習い事を多く利用する
  • 大学費用も親が準備する予定

という家庭です。

一つ一つは対応できても、複数の支出が同じ時期に重なると、「高収入なのに貯金できない」という状態になることがあります。

住宅ローン9000万円の毎月返済額を確認

まず、9000万円を35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで借りた場合の毎月返済額を確認します。

金利 毎月返済額の目安 年間返済額の目安
0.5% 約23.4万円 約280万円
1.0% 約25.4万円 約305万円
1.5% 約27.6万円 約331万円
2.0% 約29.8万円 約358万円
3.0% 約34.6万円 約416万円

※概算です。実際の返済額は金融機関、金利タイプ、返済期間、融資条件などによって異なります。

金利1%でも月約25万円です。

ここにマンションの維持費が加わります。

住宅ローン25万円でも実際の住宅費は30万円を超えることがある

例えば、次のようなマンションを考えてみます。

項目 月額
住宅ローン 25.4万円
管理費 2.5万円
修繕積立金 3万円
駐車場 2万円
合計 32.9万円

毎月約33万円です。

年間では約395万円になります。

さらに固定資産税等や保険料もあります。

教育費を考える前に、住宅だけで年間400万円近い支出になるケースがあることを確認しておきましょう。

教育費が重くなりやすい5つの理由

  1. 子どもが小さい時期の家計だけで判断している
  2. 塾・習い事・受験費用を軽く見ている
  3. 私立進学が重なる可能性を考えていない
  4. 子ども2人の大学費用が同時期に重なる
  5. 教育費を優先して老後資金の積立が止まる

理由① 子どもが小さい時期の家計だけで判断している

住宅購入時に子どもが未就学児や小学校低学年の場合、現在の教育費は比較的抑えられていることがあります。

そのため、住宅ローン9000万円を組んでも「毎月まだ余裕がある」と感じる場合があります。

しかし住宅ローンは35年続く可能性があります。

10年後には、

  • 部活動
  • 受験
  • 高校進学
  • 大学進学

などの費用が増えているかもしれません。

「今余る10万円」が10年後も余るとは限らない

例えば現在、住宅費と生活費を払って毎月15万円残る家庭でも、教育費が月10万円増えれば残る金額は5万円になります。

さらに修繕積立金が月2万円上がれば、残るのは月3万円です。

現在の家計の余裕だけではなく、支出が最大になる時期も試算しましょう。

理由② 塾・習い事・受験費用を軽く見ている

教育費というと、学校へ支払う授業料だけを想像しがちです。

実際には、

  • 習い事
  • 模試
  • 受験料
  • 教材
  • 通学費
  • 部活動

などが加わります。

家庭の教育方針によっては、中学生・高校生になるほど負担が増えることがあります。

住宅ローンは減らせないが、教育費は「払いたい」と思いやすい

住宅ローンや管理費は固定費なので、簡単には減らせません。

一方、子どもの教育については「できるだけ希望をかなえてあげたい」と考える家庭も多いでしょう。

その結果、削られるのが、

  • 毎月の貯金
  • 旅行
  • 趣味
  • 老後資金の積立

になりやすい点に注意が必要です。

理由③ 私立進学が重なる可能性を考えていない

住宅購入時には、「できれば公立」と考えていても、将来の進路は必ずしも予定どおりになるとは限りません。

子どもの希望や受験結果によって、私立中学・高校・大学を選ぶ可能性もあります。

そのため住宅ローン9000万円を検討するときは、教育費を一つのケースだけで計算しない方が安全です。

  • 公立中心のケース
  • 高校から私立のケース
  • 中学から私立のケース
  • 大学で自宅外通学するケース

など、複数パターンを確認してみましょう。

「教育費の予定が変わる余地」を家計に残しておく

住宅に予算を使い切ってしまうと、将来進路が変わったときの選択肢が狭くなることがあります。

住宅購入時に教育方針を完全に決めるのではなく、「教育費が想定より増えても対応できる余白」を残すことが重要です。

理由④ 子ども2人の大学費用が同時期に重なる

子どもが2人いる家庭では、年齢差によって大学進学時期が重なる場合があります。

例えば2歳差・3歳差なら、1人目が大学在学中に2人目が大学へ進学する可能性があります。

その時期にも住宅ローン9000万円の返済は続いています。

さらに、

  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税等
  • 老後資金の準備

も続きます。

教育費ピークと住宅費ピークが重ならないか

マンションでは築年数が進むにつれて修繕積立金が上がることがあります。

例えば、子どもの大学進学時期に、

  • 住宅ローン:月25万円
  • 管理費:月3万円
  • 修繕積立金:月5万円

となれば、住宅関連だけで月33万円です。

この時期に教育費が大きく重なるなら、かなり高い世帯収入でも家計の余裕が小さくなる可能性があります。

理由⑤ 教育費を優先して老後資金の積立が止まる

住宅ローンと教育費が重なると、「老後資金は子どもが卒業してから」と考えやすくなります。

しかし、子どもの大学卒業時に親が50代後半になっている家庭もあります。

そこから老後資金を一気に準備しようとしても、住宅ローンがまだ残っている可能性があります。

さらにマンションなら、住宅ローン完済後も管理費・修繕積立金は続きます。

教育費を払えるだけでなく、「教育費を払いながら老後資金も止めない」家計を目指すことが重要です。

高収入世帯ほど住宅予算も教育予算も上がりやすい

高収入世帯では、住宅ローン9000万円を借りられる一方、教育にかけたい金額も大きくなる場合があります。

  • 私立学校
  • 留学
  • 習い事
  • 大学院

など、選択肢が広がるためです。

その結果、「高収入だから住宅ローン9000万円でも余裕」という想定と、「高収入だから教育にもお金をかけたい」という希望が同時に家計を圧迫することがあります。

年収が高くても手取りで考える

家計では額面年収ではなく、税金・社会保険料等を差し引いた手取り収入から住宅費や教育費を支払います。

例えば住宅関連費が月33万円なら、

手取り月収 住宅費33万円の割合 住宅費支払い後
80万円 約41% 47万円
90万円 約37% 57万円
100万円 33% 67万円
120万円 27.5% 87万円

この残額から生活費、教育費、保険、貯蓄、老後資金などを支払います。

年収だけで「9000万円なら大丈夫」と判断しないようにしましょう。

共働き収入がずっと続く前提にも注意

住宅ローン9000万円では、夫婦二人の収入を前提に返済計画を立てるケースがあります。

しかし子育て期間には、

  • 育児休業
  • 時短勤務
  • 転職
  • 働き方の変更
  • 介護

などで世帯収入が変化する可能性があります。

教育費が増える時期に片方の収入が下がるケースまで試算しておくと、より現実的です。

教育費が増える前に修繕積立金も上がる可能性がある

住宅購入時に見落としやすいのが、修繕積立金の将来額です。

購入時に月2万円でも、10年後に月4万円、5万円となる計画になっている場合があります。

月2万円から5万円なら年間36万円の負担増です。

教育費が本格化する時期と修繕積立金の値上げ時期が重ならないか、長期修繕計画で確認しましょう。

関連記事:
中古マンション購入で「修繕積立金の値上げ予定」がある物件は買って大丈夫?契約前の確認ポイント

9000万円から8000万円へ借入額を下げると家計はどう変わる?

住宅予算に迷っているなら、借入額を1000万円下げたケースも比較してみましょう。

例えば35年・金利1.0%なら、1000万円の借入差で毎月返済額は概算約2万8000円変わります。

年間では約34万円です。

10年間では単純計算で約340万円の差になります。

この金額を教育費積立に回せると考えると、住宅予算1000万円の違いは小さくありません。

「9000万円を借りられるか」だけでなく、「8000万円に下げれば教育費にどれだけ余裕が生まれるか」も比較しましょう。

教育費用の貯金を住宅購入後も続けられるか

住宅購入前に教育費として毎月積み立てていた金額があるなら、購入後も続けられるか確認しましょう。

例えば、

  • 購入前:教育費積立 月10万円
  • 購入後:月3万円

になれば、年間84万円の差です。

住宅購入によって教育費積立を大幅に減らさなければならない場合は、住宅予算が大きすぎないか確認する価値があります。

住宅ローン9000万円×教育費|購入前チェックリスト

  1. 住宅ローンの毎月返済額を確認したか
  2. 管理費・修繕積立金を含めた住宅費を計算したか
  3. 修繕積立金の10年後の金額を確認したか
  4. 子どもが小さい現在だけで判断していないか
  5. 塾・習い事を含めて教育費を考えたか
  6. 私立進学したケースも試算したか
  7. 子ども2人の大学時期が重なるか確認したか
  8. 自宅外通学の可能性を考えたか
  9. 共働き収入が減ったケースを試算したか
  10. 教育費を払いながら毎月貯金できるか
  11. 老後資金の積立を止めずに済むか
  12. 8000万円へ予算を下げた場合とも比較したか

住宅ローン9000万円と教育費についてよくある質問

高収入なら9000万円の住宅ローンと教育費を両立できますか?

年収だけでは判断できません。住宅ローン以外の維持費、子どもの人数、教育方針、現在の金融資産、共働き収入の安定性、老後までの期間などを含めて考える必要があります。

子どもがまだ小さいなら教育費は後で考えてもいいですか?

住宅ローンは長期間続くため、購入前から10年後・15年後の教育費を想定しておく方が安全です。現在の家計だけで判断しないことが重要です。

子ども2人なら9000万円ローンは危険ですか?

子ども2人という理由だけで危険とは判断できません。ただし大学進学時期が重なる場合や、私立進学・自宅外通学を希望する場合は、教育費ピークを含めた家計シミュレーションが重要です。

教育費より住宅を優先しても大丈夫ですか?

家庭ごとの価値観によります。ただし住宅購入によって将来の教育選択肢を大幅に狭める可能性があるなら、購入前に家族で優先順位を確認しておくとよいでしょう。

住宅ローンを1000万円減らす意味はありますか?

あります。返済条件によりますが、毎月数万円の余裕が生まれる可能性があります。その差を教育費や老後資金に回せるため、複数の購入予算で比較すると判断しやすくなります。

関連記事|9000万円住宅ローンの家計を確認

まとめ|9000万円を返せるかではなく「教育費と両立できるか」で考える

住宅ローン9000万円で教育費が重くなりやすい主な理由は次の5つです。

  1. 子どもが小さい時期の家計だけで判断している
  2. 塾・習い事・受験費用を軽く見ている
  3. 私立進学が重なる可能性を考えていない
  4. 子ども2人の大学費用が同時期に重なる
  5. 教育費を優先して老後資金の積立が止まる

住宅ローン9000万円そのものが危険なのではありません。

重要なのは、住宅費を払いながら、子どもの教育費、毎月の貯蓄、老後資金を無理なく準備できるかです。

特に高収入世帯では、住宅予算だけでなく教育への希望も大きくなりやすいため、「収入が高いから大丈夫」という判断には注意が必要です。

「9000万円の住宅ローンを払えるか」ではなく、「9000万円を返しながら、子どもの進路の選択肢も守れるか」で考える。

購入前には、現在の家計だけでなく、教育費が最も重くなる10年後・15年後まで一度シミュレーションしておきましょう。


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「銀行の審査は通りそう。でも教育費、修繕積立金、老後資金まで考えると本当に9000万円でいいのか不安」という段階でこそ、契約前に長期家計まで整理しておきましょう。

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