住宅ローン9000万円で「共働きでも余裕がない」?高収入世帯が見落としやすい7つの固定費

この記事でわかること
  • 結論|高収入でも固定費を上げすぎると家計の自由度は一気に下がる
  • まず住宅ローン9000万円の返済額を確認
  • 共働きでも余裕がなくなる7つの固定費
公開日 更新日 著者 ソプナビ編集部

※本記事は一般的な判断材料の整理を目的としたものであり、特定の物件の価値・安全性・将来性を断定するものではありません。最終的な判断は不動産会社・管理会社・各種資料の確認に基づいて行ってください。

住宅ローン9000万円で「共働きでも余裕がない」?高収入世帯が見落としやすい7つの固定費

「夫婦とも働いていて世帯年収も高い。それでも9000万円の住宅ローンはきつい?」

「住宅ローンは払えているのに、毎月なぜかお金が残らない。」

「共働きだから余裕があると思ってマンションを買ったのに、購入後は固定費ばかり増えた。」

住宅ローン9000万円を検討する世帯では、夫婦共働きで一定以上の世帯年収があるケースも多いでしょう。

そのため購入前には、「二人の収入を合わせれば返せる」「年収が高いから多少住宅費が大きくても大丈夫」と考えやすくなります。

しかし、購入後の家計を苦しくするのは住宅ローン返済だけではありません。

マンションの管理費・修繕積立金、固定資産税等、教育関連費、保険、車など、毎月・毎年ほぼ必ず出ていく固定費が積み上がると、高収入世帯でも想像以上に余裕がなくなることがあります。

住宅ローン9000万円では、「毎月25万円前後のローンを払えるか」ではなく、「すべての固定費を払ったあとでも貯蓄できるか」を見ることが重要です。

この記事では、住宅ローン9000万円を組んだ共働き・高収入世帯が見落としやすい7つの固定費と、購入前に確認したいポイントを詳しく解説します。

結論|高収入でも固定費を上げすぎると家計の自由度は一気に下がる

高収入世帯は、一般的な世帯より大きな住宅費を負担できる場合があります。

ただし、住宅購入をきっかけに固定費を同時に増やしすぎると、世帯年収が高くても毎月の余裕は小さくなります。

例えば、

  • 住宅ローン25万円
  • 管理費・修繕積立金7万円
  • 駐車場2万円
  • 保険5万円
  • 教育関連費15万円
  • 車関連費5万円

となれば、それだけで月59万円です。

ここに食費、光熱費、通信費、日用品、旅行、交際費などが加わります。

「高収入だから大丈夫」ではなく、「固定費を合計すると手取りの何%になるか」で家計を確認しましょう。

まず住宅ローン9000万円の返済額を確認

9000万円を35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで借りた場合の概算です。

金利 毎月返済額の目安 年間返済額の目安
0.5% 約23.4万円 約280万円
1.0% 約25.4万円 約305万円
1.5% 約27.6万円 約331万円
2.0% 約29.8万円 約358万円
3.0% 約34.6万円 約416万円

※9000万円・35年・元利均等返済・ボーナス返済なしの概算です。実際の返済額は金利タイプや借入条件などによって異なります。

金利1%なら月約25万円です。

この時点でも大きな固定費ですが、マンション購入後はさらに固定費が加わります。

共働きでも余裕がなくなる7つの固定費

  1. 住宅ローン返済
  2. 管理費・修繕積立金
  3. 駐車場・駐輪場などマンション関連費
  4. 固定資産税等・保険など年払い固定費
  5. 子どもの教育関連固定費
  6. 生命保険・医療保険など家族の保険料
  7. 車・通信・サブスクなど「下げにくい固定費」

固定費① 住宅ローン返済

最も大きいのは、当然ながら住宅ローンです。

9000万円を35年で借りれば、金利条件によって月20万円台後半から30万円を超える場合があります。

共働きで世帯手取りが月100万円ある家庭なら、「25万円なら払える」と感じるかもしれません。

しかし住宅ローンだけで手取りの25%を使います。

その後に続く固定費まで入れると、住宅関連費だけで手取りの3~4割以上になるケースがあります。

ボーナス返済なしでも「実質ボーナス頼み」になることがある

住宅ローン自体にボーナス返済を設定していなくても、毎月の給与では十分に貯金できず、

  • 固定資産税等
  • 旅行
  • 家電買い替え
  • 教育費

をボーナスから払う状態になると、家計全体ではボーナス依存になっています。

住宅ローン9000万円では、「ボーナス返済なし」より「ボーナスがなくても年間家計が黒字か」を確認する方が重要です。

固定費② 管理費・修繕積立金

マンション購入で住宅ローン以外に大きいのが、管理費・修繕積立金です。

例えば、

項目 月額 年間
管理費 3万円 36万円
修繕積立金 4万円 48万円
合計 7万円 84万円

住宅ローンとは別に年間84万円です。

しかも修繕積立金は、購入後に値上げされる可能性があります。

9000万円ローン+管理費・修繕積立金で月32万円超

金利1%で住宅ローンが月約25.4万円、管理費+修繕積立金が月7万円なら、

月32.4万円です。

年間では約389万円になります。

これだけで世帯手取り月100万円の約3分の1です。

関連記事:
管理費+修繕積立金が月10万円なら高すぎる?中古マンション購入後の年間負担を検証

修繕積立金の将来値上げも固定費として考える

現在の修繕積立金が月3万円でも、10年後に月5万円になる計画なら、月2万円の固定費増です。

年間では24万円になります。

教育費が増える時期と重なると、高収入世帯でも貯蓄余力を削る可能性があります。

関連記事:
中古マンション購入で「修繕積立金の値上げ予定」がある物件は買って大丈夫?契約前の確認ポイント

固定費③ 駐車場・駐輪場などマンション関連費

高価格帯のマンションを購入しても、駐車場代は住宅ローンに含まれません。

例えば駐車場が月3万円なら年間36万円です。

管理費・修繕積立金7万円と合わせると、ローン以外のマンション固定費だけで月10万円になります。

住宅ローン25万円なのに実際の住宅費は35万円

項目 月額
住宅ローン 25.4万円
管理費 3万円
修繕積立金 4万円
駐車場 3万円
合計 35.4万円

年間では約425万円です。

「9000万円ローンは月25万円」と考えるのではなく、「このマンションを持つ固定費は月35万円」と考える方が実際の家計に近くなります。

固定費④ 固定資産税等・保険など年払い固定費

毎月引き落とされないため見落としやすいのが、年単位で支払う住宅関連費です。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険
  • 地震保険

などがあります。

金額は物件条件などによって異なりますが、毎月の家計表には「年間額÷12」で月割りして入れておくと負担感を把握しやすくなります。

年払いだから固定費ではない、は間違い

例えば年間36万円の固定資産税等なら、家計上は毎月3万円を積み立てておく必要があります。

これを月の固定費として考えると、住宅費35万円が実質38万円になるイメージです。

購入前に年間住宅費まで出しておきましょう。

固定費⑤ 子どもの教育関連固定費

高収入世帯では、教育にお金をかける家庭もあります。

例えば、

  • 習い事
  • 私立学校
  • 予備校
  • 通学費

などは、一度始めると簡単には減らしにくい支出です。

子ども2人で月15万円なら年間180万円

例えば教育関連費が2人合計で月15万円なら、年間180万円です。

住宅費が年間450万円、教育固定費が180万円なら、それだけで年間630万円になります。

高収入でも、住宅と教育の2つで大きな固定費を抱えることになります。

関連記事:
住宅ローン9000万円で「教育費が重い」は危険?高収入世帯が購入前に考えたいこと

教育費は「今」より10年後を見る

住宅購入時に子どもが小さい場合、現在の教育費だけで家計を判断すると危険です。

10年後には、塾・受験・高校・大学などの支出が増えている可能性があります。

その時期にも9000万円ローンの返済は続いています。

固定費⑥ 生命保険・医療保険など家族の保険料

住宅購入を機に保険を見直す家庭もあります。

一方で、

  • 生命保険
  • 医療保険
  • 学資系の積立
  • 個人年金系商品

などを複数契約していると、毎月の固定費が大きくなります。

月5万円の保険料は年間60万円

夫婦・子どもを含めた保険関連費が月5万円なら、年間60万円です。

住宅費・教育費と合わせると、「年収は高いのに貯金できない」状態になることがあります。

住宅購入前には、住宅ローンだけでなく現在契約している固定費を一度一覧にしてみましょう。

固定費⑦ 車・通信・サブスクなど「下げにくい固定費」

一つ一つは住宅ローンほど大きくなくても、複数積み上がると負担になる固定費があります。

  • 車のローン・リース
  • 自動車保険
  • 駐車場
  • スマートフォン
  • インターネット
  • 動画・音楽等のサブスクリプション
  • スポーツクラブ・習い事

などです。

住宅購入前の生活水準をそのまま維持すると苦しくなることがある

高収入世帯では、住宅購入前から一定の生活水準がある場合があります。

そこへ9000万円ローンという新しい大型固定費を追加しても、

  • 外食
  • 旅行
  • 教育
  • 保険

を以前と同じ水準で維持すると、想像以上に資産が増えないことがあります。

9000万円の家を買うなら、「住宅だけを追加する」のではなく、家計全体の固定費を組み替える必要があるケースもあります。

高収入共働きなのに余裕がない家計例

世帯手取り月110万円、子ども2人の家庭を仮定します。

固定費 月額
住宅ローン 25万円
管理費・修繕積立金 7万円
駐車場 3万円
固定資産税等の月割り 3万円
教育関連費 15万円
保険 5万円
車・通信・その他固定費 8万円
固定費合計 66万円

手取り110万円に対して、固定費だけで66万円です。

残りは44万円。

ここから食費、光熱費、日用品、交際費、旅行、医療費、貯蓄などを出します。

一見すると高収入でも、固定費が高いと自由に使える金額は急速に小さくなります。

※家計負担を説明するための仮定例です。

固定費率60%なら「高収入でも余裕がない」が起きやすい

上の例では、固定費66万円÷手取り110万円=60%です。

固定費だけで手取りの6割を使うと、収入が減ったときの家計調整が難しくなります。

食費や旅行は減らせても、住宅ローン、管理費、修繕積立金、教育費などは急には減らせないからです。

共働き世帯で最も注意したいのは「片方の収入減」

9000万円ローンは、夫婦二人の収入を前提にしているケースがあります。

例えば世帯手取り110万円が、どちらかの休職・転職・時短勤務などで90万円になったとします。

固定費が66万円のままなら、残るのは24万円です。

世帯手取り 固定費66万円 固定費支払い後
110万円 66万円 44万円
100万円 66万円 34万円
90万円 66万円 24万円
80万円 66万円 14万円

住宅ローン以外の生活費を考えれば、余裕は急速になくなります。

「共働きだから安心」ではなく収入依存度を見る

重要なのは、夫婦二人の収入があることではありません。

二人の収入が少し下がっただけで家計が赤字になる設計になっていないかです。

共働き住宅ローンでは、「二人で払えるか」ではなく、「一時的に二人分の収入がそろわなくても耐えられるか」を確認しましょう。

9000万円ローンで「貯金できない」と固定費問題はつながっている

購入後に「なぜか貯金できない」と感じる場合、浪費だけが原因とは限りません。

住宅費、教育費、保険、車など、固定費そのものが大きすぎる可能性があります。

固定費は一度契約すると下げにくいため、購入前に確認することが重要です。

関連記事:
住宅ローン9000万円で「貯金できない」は危険?高収入世帯でも家計が苦しくなる5つの理由

8000万円へ住宅予算を下げると固定費はどれくらい変わる?

住宅予算に迷っているなら、9000万円と8000万円の借入れを比較してみましょう。

35年・金利1%前後なら、借入額1000万円の差で毎月返済額は約2万8000円程度変わります。

年間では約34万円です。

10年間なら単純計算で約340万円になります。

固定費を月3万円近く下げられる意味は、単なるローン差以上に大きいと考えられます。

その分、教育費・貯蓄・老後資金などに回せるからです。

9000万円ローン購入前に固定費を一覧化する

購入前に、現在と購入後の固定費を並べてみましょう。

項目 現在 購入後
家賃/住宅ローン ○万円 ○万円
管理費・修繕積立金 ○万円
駐車場 ○万円 ○万円
固定資産税等 ○万円
教育関連費 ○万円 ○万円
保険 ○万円 ○万円
車・通信等 ○万円 ○万円

購入後に固定費が月何万円増えるのかを把握すると、9000万円という住宅予算が家計に合っているか判断しやすくなります。

購入後も「固定費を払ったあとに20万円残る」では不十分なことも

固定費を払って月20万円残るなら十分と思うかもしれません。

しかし、その20万円から、

  • 食費
  • 日用品
  • 光熱費
  • 医療費
  • 旅行・レジャー
  • 貯蓄

を支払う必要があります。

住宅購入前には、「固定費支払い後の残額」ではなく「必要な貯蓄までした後にいくら残るか」を確認しましょう。

高収入共働き世帯・購入前チェックリスト

  1. 住宅ローン返済額を確認したか
  2. 管理費・修繕積立金を加えたか
  3. 駐車場・駐輪場等を加えたか
  4. 固定資産税等を月割りしたか
  5. 将来の修繕積立金値上げを確認したか
  6. 教育費を現在額ではなく将来額で見たか
  7. 保険料を一覧化したか
  8. 車関連費を年間で計算したか
  9. 通信・サブスクなど固定費を整理したか
  10. 固定費合計が手取りの何%か確認したか
  11. 片方の収入が減った場合を試算したか
  12. ボーナスなしでも年間黒字か
  13. 購入後も毎月必要額を貯蓄できるか
  14. 8000万円へ予算を下げたケースと比較したか

住宅ローン9000万円と共働きについてよくある質問

共働きなら9000万円の住宅ローンでも大丈夫ですか?

共働きというだけでは判断できません。世帯手取り、子どもの人数、管理費・修繕積立金、教育費、保険、車関連費、現在の金融資産などを含めて確認する必要があります。

高収入なのに家計が苦しくなるのはなぜですか?

住宅費だけでなく、教育費、保険、車など固定費全体が大きくなっている可能性があります。高収入でも固定費率が高いと家計の自由度は小さくなります。

管理費・修繕積立金は住宅ローンと別に考えるべきですか?

ローンとは別の支出ですが、家計では合算して総住宅費として考えることが重要です。将来の値上げ予定も確認しましょう。

固定費は手取りの何%までなら安全ですか?

一律の安全ラインはありません。家族構成、貯蓄目標、教育費、生活水準などによって異なります。重要なのは、固定費支払い後も必要な生活費と貯蓄を確保できることです。

9000万円から8000万円へ下げる意味はありますか?

あります。借入1000万円の差で毎月返済額が数万円変わる可能性があり、その差額を教育費、貯蓄、老後資金に回せます。

関連記事|9000万円住宅ローンの家計を詳しく確認

まとめ|9000万円ローンで余裕がなくなる原因は「住宅ローン」だけではない

住宅ローン9000万円を組んだ共働き・高収入世帯が見落としやすい固定費は、次の7つです。

  1. 住宅ローン返済
  2. 管理費・修繕積立金
  3. 駐車場・駐輪場などマンション関連費
  4. 固定資産税等・保険など年払い固定費
  5. 子どもの教育関連固定費
  6. 生命保険・医療保険など家族の保険料
  7. 車・通信・サブスクなど下げにくい固定費

高収入だから9000万円ローンが危険というわけではありません。

問題は、住宅購入をきっかけに家計全体の固定費が大きくなりすぎ、毎月の自由度や貯蓄余力が失われることです。

特に共働き世帯では、夫婦二人のフル収入が続いている間は問題が見えにくいことがあります。

どちらかの収入が減ったとき、教育費が増えたとき、修繕積立金が上がったときに初めて「固定費が大きすぎた」と気づくケースも考えられます。

「9000万円を二人で返せるか」ではなく、「9000万円を返し、7つの固定費を払っても、毎年資産を増やせるか」で判断する。

購入前には、住宅ローンだけではなく現在と購入後の固定費を一覧化し、収入が減ったケースまで含めて確認しておきましょう。


「共働きだから払える。でもなぜか余裕がなくなりそう」と感じたら

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  • 契約前チェックリスト:住宅ローン・管理費・修繕積立金など購入前の確認項目を整理
  • 有料契約チェック:重要事項説明書・長期修繕計画・総会議事録などを第三者の視点で確認

「9000万円の審査は通りそう。でも購入後も教育費・貯蓄・老後資金まで本当に両立できるのか」と感じた段階で、住宅ローン以外の固定費まで含めて家計を確認しておきましょう。

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